グアムでのタコノキ採取

2016年にグアムでパンダヌスドゥビアスとパンダヌステクトリウスの実を採取しました。 

パンダヌスドゥビアスは特に大きくて派手な果実です。現地では結婚式の飾りに使われるそうですが、市街地ではまず見かけません。石灰岩を好むため生息地が限られているそうです。グアム大学の許可を得て、構内で一本だけ大切に管理されている木から実を採取させていただきました。対して、パンダヌステクトリウスは街中でも容易に見つけることができ、何本かの木を比較して平均的な実を採取しました。 

翌日、ジゴにある大学の付属農園を見学させていただきました。この農園内には、元から自生していた植物が残っているということで、広い敷地内の所々がジャングルになっています。半日ほど探し回るうちに、パンダヌスドゥビアスの大きな群れを見つけました。

下の画像はまだ小さい幼木ですが、私の背丈をはるかに越えています。中には種類のわからないタコノキ属の木もあり、夢中で実を拾い集め、観察と記録に専念しました。石灰岩のおかげなのか、大学で見たものと同じ種とは思えない旺盛さでした。 

農園ではグアム大学の皆さんが作物の研究をされています。グアムではレタスのような葉物野菜は栽培しづらいそうで、水耕栽培の実験を見せていただきました。太平洋諸島の各島から進学してきた学生さんは、将来は地元の島で農業技術を広めるそうです。 

途中、学生さんがタバコのように噛んでいる「びんろう」をくださいましたが、凄まじい味で何度も口をゆすぐことになりました。本からの知識しかなかったので、実際に経験できて面白かったです。 

採取した果実は、帰国前に植物検査を受け証明書を発行してもらいました。グアムの植物検査は大変厳しく、検査前に念入りに殺虫処理をしたのにもかかわらず、再び別室で丁寧な洗浄を受けました。おかげさまで安心して日本に持ち込むことができ、ご協力をいただいた皆様に心より感謝申し上げます。 

作品完成後に、お世話になった皆様とグアム大学宛に作品の複製を贈呈させていただきました。教育に役立てていただいていると伺い、目的が果たせてとても嬉しく思います。

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